- STUDY 2
- オレゴン大学・経営大学院の論文
マインドマップ活用により、ブレーンストーミングにおいて、全員の発想力が約 3 倍。
また最下位の人でも、他の学習法による平均点に追いつく。
- タイトル
- マインドマッピング ― 創造性への扉
- 目的
- アイデア発想法としての、マインドマップの有効性を評価すること。
- 研究者
- Americ Jenkins, June 2004
- 被験者
- グアナフアト大学・管理経営学専攻で必須科目を受講中の学生(総数 800 名)のうち 143 名(25 名〜35 名のグループで実施)。年齢層は主として 18 歳〜24 歳で、女性の方が多い(対象サンプルとして適切)。うち 68 名は対照群、残り 75 名が実験群(後者の人数が多かったのは遅刻してきた学生が後者に入ったため)。
- 調査プロセス
- 時間制限のあるブレーンストーミングの際、創造的アイデアがよどみなく出てくる度合い(Fluency)を定量的に測定した。実験は前半と後半に分かれ、前半では実験群と対照群で中身が異なる(紙やペンの種類などが異なる)パッケージを受け取り、通常のブレーンストーミングの概念について 5 分間の説明を受けた。
創造性テストその 1 を実施。5 分間でクリップの使用法について思いついたアイデアを紙(罫線入り)に全て書き出す。終了したらアイデアの数を数えて紙の右上の角に書く。ここまでは、実験群も対照群も同じ作業を行なう。
次に、対照群は創造性テストその 2 を行なう。5 分間で輪ゴムの使用法について思いついたアイデアを罫線入りの紙に書き出し、終了したら数を右上の角に書く。対象群は実験が終わったらアンケートに記入して退室する。
実験群(マインドマップ・グループ)は、マインドマップを使ったブレーンストーミングについての短時間の講義を受けた後、創造性テストその 2 を行ない、5 分間で輪ゴムの使用法について書き出す(その際、手助けは一切しない)。終了したら、アイデア数を書きとめる。その直後に、マインドマップを使ったブレーンストーミングについてのアンケート(2 つの質問、時間とスムーズさ)に記入する。学生はマインドマップとアンケートを提出して退室する。
- 結果
- 対象群:クリップの使用法に関するテストのアイデア数中央値が 11 で、4〜25の幅があった。輪ゴムの使用法に関するテストでも中央値は 11 で、6〜21 の幅があった。
実験群:対照群と同じ条件で実施したクリップに関するテストではアイデア数の中央値が10 で、4〜19 の幅があった。一方、マインドマップを使って実施した輪ゴムの使用法についてのテストでは、中央値が 29 で、11〜48 の幅があった。

図:対照群と実験群間のアイデア数の比較
- この結果から、創造性テストその 1 の結果は極めて似ているが、その 2 については差が大きいことが読み取れる。つまり対照群の中央値は実験群の下限に等しく、後者の中央値は前者のそれの約 3 倍となっている。また、実験群の場合には全員が創造性テストその 2 のアイデア数が多い。
- 統計的評価
- 統計的検定として、本調査のノンパラメトリックなカイ二乗検定を実施した。この結果、対照群では 2 種類の創造性テスト間の差が統計的に重要ではなく、帰無仮説は否定されなかった。一方、実験群では両テスト間の差が統計的に重要で帰無仮説が否定され、偶然による可能性が取り除かれた。
TABLE : Descriptive statistics
| Descriptive Statistics |
| |
|
|
|
|
|
Lower |
Upper |
|
|
| |
Valid Num |
Mean |
Median |
Min |
Max |
Quartile |
Quartile |
Variance |
Std.Dev. |
CONTROL/
CLIP |
68 |
11,32353 |
11 |
4 |
25 |
9 |
13 |
14,84899 |
3,853439 |
CONTROL/.
RUBBER BAND |
68 |
12,38235 |
11 |
6 |
21 |
9,5 |
15,5 |
14,41879 |
3,797208 |
EXPERIMENTAL
/CLIP |
75 |
10,42667 |
10 |
4 |
19 |
8 |
|
13,46414 |
3,669352 |
EXPERIMENTAL/
RUBBER BAND |
75 |
29,02667 |
29 |
11 |
48 |
23 |
35 |
75,64793 |
8,697582 |
- 結論
- 本実験には若干の改善余地はあるものの、総じて成功したといえる。アンケートの結果によれば、全てのグループで実験前からマインドマップを熟知していた学生の割合はかなり低かった。これは教育プログラムにマインドマップが含まれていなかったことによるところが大きい。尚、90%以上の学生がマインドマップを学ぶことに関心を示した。
興味深いのは、時間とスムーズさに関する学生の感じ方である。対照群の 85.3%が「時間は十分だった」と答えたのに対し、実験群では同 45.3%だった。おそらく、前者が全てアイデアを出し切ったと感じたのに対し、後者はさらに書き続けられる感触を得たからと思われる。スムーズさについては、5 分間を通じて次々とアイデアが出たと感じている割合は前者が 8.8%、後者は 17.3%だった。
統計的検定の結果は、従来のリスト方式によるブレーンストーミングとマインドマップ方式による差が相当大きいことを明示している。
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